別宮
鉢伏山の東側に連なる東鉢スキー場があり、スキーヤー、学生の合宿、ハイカーなどで賑わっています。集落からハチ高原に通ずる道沿いには県指定文化財“大カツラの木”があります。根元から豊富な清水が湧き出ており、その下に広がる棚田に湧水が入り、美味しい米を育てています。氷ノ山をバックにした棚田は絶景のスポットとなり四季を通して写真愛好家が訪れています。
村の北西には県指定文化財1万年以上も昔の兵庫県下最古の縄文遺跡 “別宮家野遺跡”があり、住居跡とみられる柱穴や縄文土器多数が出土しています。この他に“木造阿弥陀如来座像”“別宮のオキナグサ”が県指定文化財となっています。
江戸時代から伝えられている伝統行事“別宮のお綱うち” は市指定無形文化財で、1年間の無病息災、五穀豊穣を祈願するものです。1月9日、村人が集まり三つ組の長さ18m、太さ30㎝、重さ70~80㎏もある大綱をつくり、上組と下組にわかれて7回引き合い、上組が勝つとその年は豊作となるとされています。そのお綱は、大きな2本の神木であるケヤキに取り付けられ別宮を見守っています。
葛畑
荒御霊神社の境内に“葛畑の舞台”(芝居堂)があり、境内の広場が観覧席になっています。舞台は入母屋造り、茅葺き、独楽廻し式舞台と田楽返しの装置が特長で、国指定の重要有形民俗文化財になっています。大阪で歌舞伎を学んだ藤田甚左衛門が座長となり、江戸末期から農閑期に歌舞伎を上演、明治初期に葛畑座を結成して、但馬、鳥取、丹波、丹後、播磨方面にも巡回興業をしていました。舞台は①廻転②花道③二重台④下座⑤ブドウ棚⑥遠見⑦ガンドウの七つの機構と①田楽返し②スッポン③セリ引き④からくり⑤奈落⑥客席の機能を備えています。
現在は葛畑農村歌舞伎伝承会により、葛畑の舞台や関宮公民館で歌舞伎を上演し、地域の伝統文化・伝統芸能の保存、継続につとめています。
川原場
出合校区の西端に位置し、川沿いに家屋が並んでいます。
字家の脇に愛宕社があり、鎮守としています。
小路頃
出合区と隣接していますが、旧は、熊次村に属し村境、群境に位置していました。
村の東端に大師堂があり、弘法大師像、本尊である薬師如来像を祀ってあり十二神将がそろっています。
鵜縄
1752年に創建された禅宗曹洞宗の台盛山青蓮寺があり、氷ノ山に続く林道が開通しています。氷ノ山に最も近い集落で、清らかで豊富な水を利用してワサビの栽培やヤマメの養殖が行われています。村から少し外れた山裾にヤマメ料理の店があります。
安井
正月の行事として今でも“大ぞうり”作りを伝承しています。1月3日、村人がワラを持ち寄り、長さ、幅ともに1m以上もある大ぞうり片方と小ぞうりをいくつかつくり志賀峰神社に奉納、1月6日のどんどさんの日の夜、村の入口(才ノ木)に移動します。
悪いことや病気が入らないようにと願う厄除け祈願の行事です。村の市道沿いにある六体地蔵は子授け地蔵として言い伝えられています。